25.10.01
システム開発とは?工程・手法・依頼のポイントを初心者向けに解説

システム開発とは、業務の効率化や課題解決を目的とした仕組みをIT技術で構築することです。 システム開発の基本的な流れや手順、代表的な開発手法、外部へ依頼する際のポイントまで、IT担当者でない方にもわかりやすく解説します。 システム開発の全体像を理解し、自社の進め方を検討する上で必要な知識を得るための内容となっています。
そもそもシステム開発とは?目的と意味をわかりやすく解説
業務を効率化する身近なシステム開発の具体例
代表的なシステム開発の手法4選
システム開発の進め方|基本の5ステップを解説
システム開発は外注すべき?内製との違いを解説
システム開発を外部に依頼するメリット
システム開発を外部に依頼するデメリット
失敗しないシステム開発会社の選び方【4つのチェックポイント】
まとめ
システム開発とは、特定の目的を達成するために、コンピューターのソフトウェアやハードウェアを組み合わせて新しい仕組みを構築する一連の活動を指します。
その目的は、手作業で行っていた業務を自動化して効率を上げたり、新たなサービスを創出してビジネスを拡大したりと多岐にわたります。
一般的に、企画から設計、開発、テスト、運用・保守までの一連の流れはシステム開発ライフサイクルと呼ばれ、この定義に沿ってプロジェクトが進められます。
システム開発は様々な業界で活用されています。
例えば、WebサイトやECサイトの構築、金融機関の勘定系システム、医療現場で使われる電子カルテなどが挙げられます。
他にも、不動産業界の物件管理システム、教育分野のeラーニングシステム、ホテルの予約管理システム、保険会社向けの契約管理システム、自動車に搭載される制御システムなど、多くの例が存在します。
これらのシステムは、各業界の業務を効率化し、サービス品質を向上させるために開発されています。
システム開発を成功させるには、プロジェクトの特性に合った開発手法を選択することが重要です。 開発手法にはいくつかの種類があり、それぞれに得意な状況や進め方のモデルが存在します。
どのような要件で、どの程度の変更が見込まれるかによって、採用すべき開発方式は異なります。 ここでは、代表的な4つの方法を紹介し、それぞれの特徴を解説します。
ウォーターフォール開発は、水が上から下に流れるように、各工程を順番に進めていく古典的な開発手法です。 要件定義、設計、開発、テストといった工程を一つずつ完了させてから次の工程に進むため、後戻りは原則として想定していません。
このウォーターフォール型は、開発前に仕様や要件が明確に決まっている大規模なプロジェクトに適しており、進捗管理がしやすい点が特徴です。
各工程の成果物を重視し、テスト工程を強化したV字モデルもこの派生形として知られています。
アジャイル開発は、計画から設計、実装、テストまでの一連のサイクルを短い期間で繰り返し、機能単位で開発を進めていく手法です。
仕様変更や追加の要望に柔軟に対応できる点が大きな特徴で、市場の変化が速いWebサービスや新規事業の開発に向いています。
代表的なフレームワークであるスクラムでは、チームで協力しながら開発を進め、定期的なフィードバックを通じてシステムの生産性と品質を高めていきます。 開発途中で優先順位を見直しながら、価値の高い機能からリリースすることが可能です。
スパイラルモデルは、設計、開発、評価というサイクルを繰り返しながらシステムを開発していく手法です。
このモデルの最大の特徴は、各サイクルの開始時に必ずリスク分析を行う点にあります。 このリスク管理プロセスを通じて、技術的な課題や仕様の不確実性といった潜在的な問題を早期に発見し、対応策を講じながら開発を進めます。
大規模で前例のない、リスクが高いプロジェクトにおいて、手戻りを最小限に抑えながら着実に完成度を高めていくのに適した手法です。
プロトタイピングは、開発の初期段階でシステムの試作品を作成し、ユーザーに実際に操作してもらうことで要求を確認・修正していく手法です。
これにより、開発終盤での大幅な手戻りを防ぎ、ユーザーの満足度が高いシステムを構築できる可能性が高まります。
システム開発は採用する手法によって細かな違いはありますが、基本となる工程は共通しています。 一般的に作りたいシステムの構想を固める「要件定義」から始まり、設計、開発、テストを経て最後に「リリース・運用」という流れで進められます。
この一連のステップを正しく理解することは、プロジェクトを円滑に進める上で不可欠です。
要件定義とは、システム開発において最も重要な工程の一つです。 この段階で、システム化によって解決したい課題や達成したい目標を明確にし、必要な機能や性能を具体的に洗い出していきます。 発注者と開発者が話し合いを重ね、開発の対象範囲であるスコープを決定し、その内容を要件定義書として文書化します。
ここでの決定事項が後続の全工程の土台となるため、時間をかけて慎重に進める必要があります。 要件定義の質がプロジェクトの成否を左右すると言っても過言ではありません。
設計工程では、要件定義書の内容をもとに、システムの具体的な仕様を決定します。 この工程は大きく「基本設計」と「詳細設計」の2段階に分かれます。 基本設計では、ユーザーの目に触れる画面や操作方法、帳票のレイアウトなどを決め、基本設計書を作成します。
一方、詳細設計(内部設計)では、基本設計で決めた機能を実現するためのプログラムの構造やデータの処理方法など、システムの内部的な仕組みを固めます。 これらの設計書や仕様書が、次の開発工程における指示書となります。
開発は、設計書に基づいてエンジニアが実際にプログラミングを行う工程です。 プログラマーやシステムエンジニアが、仕様に沿ってソースコードを記述し、システムを開発する作業を進めます。 この段階では、既存のパッケージソフトなどを利用せず、ゼロからオリジナルのシステムを開発する「スクラッチ開発」が行われることもあります。
設計書の内容を正確に形にすることが求められ、開発者の技術力がシステムの品質に直結します。 システムを開発する上で中核となる作業です。
テスト工程は、開発したシステムが設計書通りに正しく動作するか、不具合がないかを確認するための重要なプロセスです。 品質管理の観点から、段階的に複数のテストを実施します。
まず、個々のプログラムが正常に動くかを確認する「単体テスト(UT)」、それらを組み合わせた際に連携がうまくいくかを見る「結合テスト」、システム全体が要件を満たしているか検証する「システムテスト」と進みます。 最後に、発注者側が実際の業務を想定して行う「受け入れテスト」を経て、品質を保証します。 コードレビューも品質向上に寄与します。
全てのテスト工程をクリアしたシステムは、利用者が実際に使えるように本番環境へ展開されます。 これをリリースと呼びます。 リリース後、発注者はシステムが要件通りに作られているかを最終確認し、問題がなければ検収となります。 これで納品は完了しますが、システムのライフサイクルは終わりません。
リリース後は、システムが安定して稼働するように監視する「運用」と、障害発生時の対応や機能改善を行う「保守」が続きます。 日々のログ監視や定期的なメンテナンスを通じて、システムの価値を維持していきます。
システム開発を行う際、自社のリソースで対応する「内製」と、外部の専門企業に委託する「外注」の二つの選択肢があります。 多くの株式会社では、専門知識を持つ人材が社内にいない、あるいはコア業務に集中したいといった理由から外注を選択します。
近年では、海外の会社や個人に委託するオフショア開発も増えています。 どちらの方法にも一長一短があるため、自社の状況に合わせて慎重に判断することが求められます。
システム開発を外部の専門会社に依頼する最大のメリットは、高い技術力と豊富なノウハウを活用できる点です。 専門家が開発を担当するため、高品質なシステムを期待できます。
また、自社でエンジニアを採用・育成する必要がなく、その分のコストや時間を削減できるため、結果的にROIの向上につながる可能性があります。 社内のリソースを本来のコア業務に集中させることが可能となり、事業全体の生産性を高める効果も見込めます。 OMの観点からも、専門外の業務負担を軽減できます。
外部に開発を依頼する場合、内製に比べて費用が高い傾向にあります。 開発会社とのコミュニケーションが円滑に進まないと、意図が正確に伝わらずトラブルに発展するリスクも考えられます。
また、開発プロセスがブラックボックス化しやすく、社内に技術的なノウハウが蓄積されにくい点もデメリットです。 システム開発の費用相場を把握することが難しいため、提示された金額が妥当かどうかを判断しにくい側面もあります。 仕様変更の際の調整や意思決定に時間がかかることも少なくありません。
システム開発を外注する場合、どの会社に依頼するかがプロジェクトの成否を大きく左右します。 開発会社はそれぞれ得意分野や開発体制が異なるため、自社の目的や要望に合ったパートナーを見極めることが重要です。 営業やマーケティング担当者の説明だけでなく、開発の進め方や役割分担などを具体的に確認しましょう。
日本国内だけでなく、近年ではタイなど海外の企業も選択肢に含まれます。
開発会社を選ぶ際、まず確認すべきは過去の開発実績です。 特に、自社が属する業界や、解決したい課題と類似したプロジェクトの経験があるかは重要な判断基準となります。
例えば、製造業向けのFA(ファクトリーオートメーション)システムや、特殊な技術が求められる宇宙関連のシステムなど、専門性が高い分野であればなおさらです。 関連実績が豊富な会社は、業界特有の課題や商習慣への理解が深く、的確な提案やスムーズな開発が期待できます。
契約前に、開発の具体的な進め方やプロジェクト体制について明確な説明を求めましょう。 どのようなスケジュールで進めるのか、進捗をどのように管理するのか(工程管理)、予算管理の方法など、プロジェクトマネジメントの方針を確認することが不可欠です。
また、コミュニケーションで用いるツールや定例会議の頻度といった具体的なルールが提示されていると、協力してプロジェクトを進めやすくなります。 役割分担が曖昧なまま進めると、後々のトラブルの原因にもなりかねません。
複数の開発会社から見積もりを取得し、内容を比較検討することは重要です。 その際、総額だけを見るのではなく、内訳の詳細を確認しましょう。 信頼できる会社の見積書は、「作業一式」といった曖昧な表現ではなく、各工程にかかる作業期間や担当する人数、それぞれの単価などが具体的に記載されています。
不明な項目があれば遠慮なく質問し、納得できるまで説明を求めるべきです。 多くの会社では無料で見積もりを作成してくれます。
システム開発では、自社の機密情報や顧客データを開発会社に預けることになります。 そのため、情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策が万全であるかの確認は必須です。
まず、秘密保持契約(NDA)を締結し、会社のセキュリティポリシーやISMS認証の有無などを確認します。
また、インフラとして利用するクラウド環境やネットワークのセキュリティ対策も重要です。 契約書では、請負契約などの契約形態や、納品物に欠陥があった場合の契約不適合責任についても明記されているかを確認しましょう。
システム開発は、目的や課題に応じて最適な手法やパートナーを選ぶことが成功の鍵となります。
インプルでは、業界特化型のシステム開発から業務効率化を目的としたIT導入支援まで、課題に寄り添ったご提案を行っています。
「自社に合った開発方法がわからない」「外注先を探している」といったお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
ご相談は こちら。
目次
そもそもシステム開発とは?目的と意味をわかりやすく解説
業務を効率化する身近なシステム開発の具体例
代表的なシステム開発の手法4選
システム開発の進め方|基本の5ステップを解説
システム開発は外注すべき?内製との違いを解説
システム開発を外部に依頼するメリット
システム開発を外部に依頼するデメリット
失敗しないシステム開発会社の選び方【4つのチェックポイント】
まとめ
そもそもシステム開発とは?目的と意味をわかりやすく解説
システム開発とは、特定の目的を達成するために、コンピューターのソフトウェアやハードウェアを組み合わせて新しい仕組みを構築する一連の活動を指します。
その目的は、手作業で行っていた業務を自動化して効率を上げたり、新たなサービスを創出してビジネスを拡大したりと多岐にわたります。
一般的に、企画から設計、開発、テスト、運用・保守までの一連の流れはシステム開発ライフサイクルと呼ばれ、この定義に沿ってプロジェクトが進められます。
業務を効率化する身近なシステム開発の具体例
システム開発は様々な業界で活用されています。
例えば、WebサイトやECサイトの構築、金融機関の勘定系システム、医療現場で使われる電子カルテなどが挙げられます。
他にも、不動産業界の物件管理システム、教育分野のeラーニングシステム、ホテルの予約管理システム、保険会社向けの契約管理システム、自動車に搭載される制御システムなど、多くの例が存在します。
これらのシステムは、各業界の業務を効率化し、サービス品質を向上させるために開発されています。
代表的なシステム開発の手法4選
システム開発を成功させるには、プロジェクトの特性に合った開発手法を選択することが重要です。 開発手法にはいくつかの種類があり、それぞれに得意な状況や進め方のモデルが存在します。
どのような要件で、どの程度の変更が見込まれるかによって、採用すべき開発方式は異なります。 ここでは、代表的な4つの方法を紹介し、それぞれの特徴を解説します。
計画通りに進めるウォーターフォール開発
ウォーターフォール開発は、水が上から下に流れるように、各工程を順番に進めていく古典的な開発手法です。 要件定義、設計、開発、テストといった工程を一つずつ完了させてから次の工程に進むため、後戻りは原則として想定していません。
このウォーターフォール型は、開発前に仕様や要件が明確に決まっている大規模なプロジェクトに適しており、進捗管理がしやすい点が特徴です。
各工程の成果物を重視し、テスト工程を強化したV字モデルもこの派生形として知られています。
柔軟な変更に対応できるアジャイル開発
アジャイル開発は、計画から設計、実装、テストまでの一連のサイクルを短い期間で繰り返し、機能単位で開発を進めていく手法です。
仕様変更や追加の要望に柔軟に対応できる点が大きな特徴で、市場の変化が速いWebサービスや新規事業の開発に向いています。
代表的なフレームワークであるスクラムでは、チームで協力しながら開発を進め、定期的なフィードバックを通じてシステムの生産性と品質を高めていきます。 開発途中で優先順位を見直しながら、価値の高い機能からリリースすることが可能です。
リスクを管理しながら進めるスパイラルモデル
スパイラルモデルは、設計、開発、評価というサイクルを繰り返しながらシステムを開発していく手法です。
このモデルの最大の特徴は、各サイクルの開始時に必ずリスク分析を行う点にあります。 このリスク管理プロセスを通じて、技術的な課題や仕様の不確実性といった潜在的な問題を早期に発見し、対応策を講じながら開発を進めます。
大規模で前例のない、リスクが高いプロジェクトにおいて、手戻りを最小限に抑えながら着実に完成度を高めていくのに適した手法です。
試作品で完成イメージを共有するプロトタイピング
プロトタイピングは、開発の初期段階でシステムの試作品を作成し、ユーザーに実際に操作してもらうことで要求を確認・修正していく手法です。
これにより、開発終盤での大幅な手戻りを防ぎ、ユーザーの満足度が高いシステムを構築できる可能性が高まります。
システム開発の進め方|基本の5ステップを解説
システム開発は採用する手法によって細かな違いはありますが、基本となる工程は共通しています。 一般的に作りたいシステムの構想を固める「要件定義」から始まり、設計、開発、テストを経て最後に「リリース・運用」という流れで進められます。
この一連のステップを正しく理解することは、プロジェクトを円滑に進める上で不可欠です。
STEP1:実現したいことを固める要件定義
要件定義とは、システム開発において最も重要な工程の一つです。 この段階で、システム化によって解決したい課題や達成したい目標を明確にし、必要な機能や性能を具体的に洗い出していきます。 発注者と開発者が話し合いを重ね、開発の対象範囲であるスコープを決定し、その内容を要件定義書として文書化します。
ここでの決定事項が後続の全工程の土台となるため、時間をかけて慎重に進める必要があります。 要件定義の質がプロジェクトの成否を左右すると言っても過言ではありません。
STEP2:システムの仕様を決める設計
設計工程では、要件定義書の内容をもとに、システムの具体的な仕様を決定します。 この工程は大きく「基本設計」と「詳細設計」の2段階に分かれます。 基本設計では、ユーザーの目に触れる画面や操作方法、帳票のレイアウトなどを決め、基本設計書を作成します。
一方、詳細設計(内部設計)では、基本設計で決めた機能を実現するためのプログラムの構造やデータの処理方法など、システムの内部的な仕組みを固めます。 これらの設計書や仕様書が、次の開発工程における指示書となります。
STEP3:設計書を元にプログラムを組む開発
開発は、設計書に基づいてエンジニアが実際にプログラミングを行う工程です。 プログラマーやシステムエンジニアが、仕様に沿ってソースコードを記述し、システムを開発する作業を進めます。 この段階では、既存のパッケージソフトなどを利用せず、ゼロからオリジナルのシステムを開発する「スクラッチ開発」が行われることもあります。
設計書の内容を正確に形にすることが求められ、開発者の技術力がシステムの品質に直結します。 システムを開発する上で中核となる作業です。
STEP4:正しく動くかを確認するテスト
テスト工程は、開発したシステムが設計書通りに正しく動作するか、不具合がないかを確認するための重要なプロセスです。 品質管理の観点から、段階的に複数のテストを実施します。
まず、個々のプログラムが正常に動くかを確認する「単体テスト(UT)」、それらを組み合わせた際に連携がうまくいくかを見る「結合テスト」、システム全体が要件を満たしているか検証する「システムテスト」と進みます。 最後に、発注者側が実際の業務を想定して行う「受け入れテスト」を経て、品質を保証します。 コードレビューも品質向上に寄与します。
STEP5:システムを公開し維持するリリースと運用・保守
全てのテスト工程をクリアしたシステムは、利用者が実際に使えるように本番環境へ展開されます。 これをリリースと呼びます。 リリース後、発注者はシステムが要件通りに作られているかを最終確認し、問題がなければ検収となります。 これで納品は完了しますが、システムのライフサイクルは終わりません。
リリース後は、システムが安定して稼働するように監視する「運用」と、障害発生時の対応や機能改善を行う「保守」が続きます。 日々のログ監視や定期的なメンテナンスを通じて、システムの価値を維持していきます。
システム開発は外注すべき?内製との違いを解説
システム開発を行う際、自社のリソースで対応する「内製」と、外部の専門企業に委託する「外注」の二つの選択肢があります。 多くの株式会社では、専門知識を持つ人材が社内にいない、あるいはコア業務に集中したいといった理由から外注を選択します。
近年では、海外の会社や個人に委託するオフショア開発も増えています。 どちらの方法にも一長一短があるため、自社の状況に合わせて慎重に判断することが求められます。
システム開発を外部に依頼するメリット
システム開発を外部の専門会社に依頼する最大のメリットは、高い技術力と豊富なノウハウを活用できる点です。 専門家が開発を担当するため、高品質なシステムを期待できます。
また、自社でエンジニアを採用・育成する必要がなく、その分のコストや時間を削減できるため、結果的にROIの向上につながる可能性があります。 社内のリソースを本来のコア業務に集中させることが可能となり、事業全体の生産性を高める効果も見込めます。 OMの観点からも、専門外の業務負担を軽減できます。
システム開発を外部に依頼するデメリット
外部に開発を依頼する場合、内製に比べて費用が高い傾向にあります。 開発会社とのコミュニケーションが円滑に進まないと、意図が正確に伝わらずトラブルに発展するリスクも考えられます。
また、開発プロセスがブラックボックス化しやすく、社内に技術的なノウハウが蓄積されにくい点もデメリットです。 システム開発の費用相場を把握することが難しいため、提示された金額が妥当かどうかを判断しにくい側面もあります。 仕様変更の際の調整や意思決定に時間がかかることも少なくありません。
失敗しないシステム開発会社の選び方【4つのチェックポイント】
システム開発を外注する場合、どの会社に依頼するかがプロジェクトの成否を大きく左右します。 開発会社はそれぞれ得意分野や開発体制が異なるため、自社の目的や要望に合ったパートナーを見極めることが重要です。 営業やマーケティング担当者の説明だけでなく、開発の進め方や役割分担などを具体的に確認しましょう。
日本国内だけでなく、近年ではタイなど海外の企業も選択肢に含まれます。
①自社の課題に近い開発実績があるか確認する
開発会社を選ぶ際、まず確認すべきは過去の開発実績です。 特に、自社が属する業界や、解決したい課題と類似したプロジェクトの経験があるかは重要な判断基準となります。
例えば、製造業向けのFA(ファクトリーオートメーション)システムや、特殊な技術が求められる宇宙関連のシステムなど、専門性が高い分野であればなおさらです。 関連実績が豊富な会社は、業界特有の課題や商習慣への理解が深く、的確な提案やスムーズな開発が期待できます。
②開発の進め方や体制が明確に提示されているか
契約前に、開発の具体的な進め方やプロジェクト体制について明確な説明を求めましょう。 どのようなスケジュールで進めるのか、進捗をどのように管理するのか(工程管理)、予算管理の方法など、プロジェクトマネジメントの方針を確認することが不可欠です。
また、コミュニケーションで用いるツールや定例会議の頻度といった具体的なルールが提示されていると、協力してプロジェクトを進めやすくなります。 役割分担が曖昧なまま進めると、後々のトラブルの原因にもなりかねません。
③見積もりの内訳が具体的で分かりやすいか
複数の開発会社から見積もりを取得し、内容を比較検討することは重要です。 その際、総額だけを見るのではなく、内訳の詳細を確認しましょう。 信頼できる会社の見積書は、「作業一式」といった曖昧な表現ではなく、各工程にかかる作業期間や担当する人数、それぞれの単価などが具体的に記載されています。
不明な項目があれば遠慮なく質問し、納得できるまで説明を求めるべきです。 多くの会社では無料で見積もりを作成してくれます。
④情報漏洩を防ぐセキュリティ対策は万全か
システム開発では、自社の機密情報や顧客データを開発会社に預けることになります。 そのため、情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策が万全であるかの確認は必須です。
まず、秘密保持契約(NDA)を締結し、会社のセキュリティポリシーやISMS認証の有無などを確認します。
また、インフラとして利用するクラウド環境やネットワークのセキュリティ対策も重要です。 契約書では、請負契約などの契約形態や、納品物に欠陥があった場合の契約不適合責任についても明記されているかを確認しましょう。
まとめ
システム開発は、目的や課題に応じて最適な手法やパートナーを選ぶことが成功の鍵となります。
インプルでは、業界特化型のシステム開発から業務効率化を目的としたIT導入支援まで、課題に寄り添ったご提案を行っています。
「自社に合った開発方法がわからない」「外注先を探している」といったお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
ご相談は こちら。

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