25.10.03
アプリ開発におけるフローチャートの全体像と導入メリット

アプリ開発において、作業工程やプログラムの流れを明確にすることは、スムーズかつ高品質な開発を行ううえで欠かせない要素です。複数の工程を結び付ける際、概念を可視化しやすいフローチャートを取り入れることで、要件の取りこぼしや認識のずれを最小限に抑えることができます。
フローチャートは、アプリの機能面だけでなく、開発プロセスや不具合の原因追及にも応用可能です。工程を順序立てて表現することで、全体像から詳細な処理手順まで一目で把握できます。
本記事では、フローチャートの基本的な書き方から代表的な記号の使い方、さらにアプリ開発の各フェーズでの活用例や無料ツールの紹介まで、必要なポイントを網羅して解説します。ぜひ参考にして、アプリ開発を成功へ導いてください。
フローチャートとは何か
アプリ開発でフローチャートが果たす役割
プロセス可視化によるチーム内共有の重要性
アプリ開発の基本手法
ウォーターフォール開発の流れ
アジャイル開発の流れ
アプリ開発にフローチャートを活用するメリット
①要件定義やタスク管理の効率化
②プログラム処理の可視化
③円滑なコミュニケーションの実現
フローチャート作成の基本:代表的な記号と書き方
開始・終了(Terminal)
処理(Process)・入力/出力(Input/Output)
条件分岐(Decision)と結合(Merge)
あらゆるフェーズにおけるフローチャート活用例
要件定義・設計段階
開発・テスト段階
リリース・運用段階
フローチャート作成に役立つ無料ツール
①draw.io
②Lucidchart
③Google Drawingsやその他オンラインサービス
無料のフローチャート作成ツールで不十分な場合の有料版検討
外部企業へ開発を依頼する際に確認すべきポイント
まとめ:フローチャートを効果的に取り入れアプリ開発を成功させよう<
フローチャートの定義を知り、なぜアプリ開発に欠かせないのか概要を把握しましょう。
フローチャートは、業務工程やプログラムの処理手順を視覚的に表現するための図式です。矢印でつながれた記号を使うことで、複雑な流れを整理しやすくなり、問題の発生源を見つけやすくする特徴があります。
アプリ開発においては、要件定義や設計段階で機能の全体像を共有するためによく利用されます。フローチャートを用いることで、段階的なアプローチを取りやすくし、手戻りを減らすことに寄与します。
プログラマーだけでなく、プロジェクトオーナーやデザイナーといった関係者全員が同じ認識をもてる点も大きな魅力です。工程が可視化されるため、話し合いの際に具体的なイメージを持ちやすくなります。
アプリ開発では、機能を実装する際に複数の入力や条件分岐が存在する場合が多くあります。フローチャートによってこれらの分岐をわかりやすく図示することで、開発者だけでなくプロジェクト全体がスムーズに進行します。
大規模なアプリになるほど要件も複数にわたるため、要件の抜け漏れやタスクの重複を防ぐ必要があります。フローチャートを作成すれば、どのタイミングでどの処理が行われるかが明確になり、適切にタスクを割り振りやすくなります。
また、フローチャートは基本設計だけでなく詳細設計の段階でも活用されます。アルゴリズムや処理手順を可視化するため、プログラミング前にロジック上の問題点を洗い出しやすくなる点で大きな役割を果たします。
フローチャートを用いてプロセスを可視化すると、担当者の異なるメンバー同士でも開発における意図や前後のつながりを把握しやすくなります。話をするときに曖昧な点が減り、作業時間の短縮にもつながります。
視覚的に理解できるフローチャートは、エンジニア以外のメンバーやクライアントにも説明しやすいツールです。特にミーティングの場で活用することで、時間をかけずに認識を合わせることが可能になります。
その結果、開発全体のコミュニケーションロスが減り、手戻りや修正依頼も少なくなります。フローチャートが全員の共通言語となることで、開発の効率と品質が向上します。
アプリ開発を円滑に進めるためには、代表的な開発モデルの特徴を理解しておくことが重要です。
アプリ開発の成功には、開発手法の選択が大きく影響します。代表的な方法としてウォーターフォール型とアジャイル型が挙げられ、それぞれに異なる利点と注意点があります。
ウォーターフォール型は設計からテストまでを一方向に進め、仕様や要求が明確な大規模プロジェクトに適しています。一方で変更が生じた場合、後戻りしづらいため十分な初期計画が求められます。
アジャイル型では、小さな機能を連続して実装・テストしながら、状況に応じて方向修正を加えるのが特徴です。不確実性が高い案件や、ユーザーの要望に柔軟に対応したい場合に非常に有効な手法です。
ウォーターフォール型では、要件定義から設計、実装、テスト、リリースまでを段階的に行います。それぞれの工程を完了してから次に進むため、進行管理はしやすいですが、後戻りが発生するとコストがかかりやすいのが特徴です。
明確な要件をあらかじめ定義できる場合には大きなメリットがあります。大規模な業務システムや、公的機関の厳密な仕様が求められる場合によく採用されています。
フローチャートを活用することで、それぞれの工程でのタスクと処理の流れを広い視野で確認できます。特に要件定義段階で作成したフローチャートを後続工程に引き継ぐことで、チーム全員の理解度を高められます。
アジャイル開発は、設計と実装を短いサイクルで繰り返し、問題や改善点をその都度検証しながら進める開発手法です。小規模の機能単位でリリースを行い、ユーザーからのフィードバックを素早く取り入れる特徴があります。
不確定要素が多い開発案件や、仕様変更の可能性が高いプロジェクトに特に適しています。ウォーターフォール型に比べ、方向軌道修正がしやすい点が大きな利点です。
フローチャートをアジャイル開発に取り入れると、短いスプリントごとの成果物を即座に可視化できます。早い段階でチームやクライアントと認識をすり合わせ、必要な修正をタイムリーに行うことが可能です。
フローチャートの活用で得られる利点を整理し、開発全体を効率的に進める方法を探りましょう。
フローチャートを導入すると、業務フローとプログラム処理が視覚的に整理され、抜け漏れや重複が見つけやすくなります。特にメンバーが多い開発チームでは、一つのプロセスを図として見せることで、全員の理解を統一できます。
また、タスク管理の観点でもフローチャートは効果的です。処理の優先度を示しやすくなり、次にどの工程に着手すべきかが明確になるため、管理者もプロジェクトの進捗を把握しやすくなります。
さらに、クライアントや他部門とのやり取りでも、スムーズに情報を伝達できるのが利点です。図として説明できるため専門用語が伝わりにくい場面でも、イメージベースで構造を理解してもらいやすくなるでしょう。
初期段階の要件定義では、チャートを使うことでアプリに必要な機能や連携を見落としにくくなります。複雑なフローを断片的に考えるよりも全体を可視化した方が、抜け漏れが起こりません。
タスク管理の面でも、フローチャートを用いたプロセス設計は有用です。どのフェーズでどの処理が必要かが明示されるため、優先度が高い部分から着手しやすくなります。
また、フローチャートを頻繁にアップデートしながら作業を進めると、後から追加された機能や要素をすぐに共有できます。結果的にレビュー時の混乱も防ぎ、プロジェクトの進行を円滑にします。
プログラムのロジックを図示することで、早い段階で矛盾や重複を見つけやすくなります。特に細かなバグや例外処理の漏れは文章だけでは見落としがちですが、図にすることで抜け漏れを発見しやすくなります。
さらに、大規模なアプリではモジュール間の連携が複雑になるため、フローチャートを使うと関連部分の結合テストも進めやすくなります。テストの観点でチェックリストが作りやすくなるのもメリットです。
結果として、開発ステップごとの検証作業が効率化し、不具合を早期に修正する土台が整います。品質の向上とともに、開発後の保守作業もしやすくなるでしょう。
フローチャートは、部門や職種を越えて情報を共有する際に大きな武器になります。技術的な知識の浅いメンバーやクライアントにも、全体像を迅速に説明できるためです。
また、会議や打ち合わせの資料にフローチャートが加わると、議論の焦点がはっきりします。視覚情報を前提に話し合いが進むので、不明瞭な点をすぐに洗い出して解決しやすくなります。
このように、フローチャートにより情報伝達の正確性とスピードが向上するため、プロジェクトを進めるうえで欠かせないコミュニケーション・ツールという評価を得ています。
フローチャートを正しく作成するために、基本となる代表的な記号と書き方を理解しましょう。
フローチャートを描く上で、まずは主要な記号の意味を把握することが必須です。開始・終了、処理、条件分岐など、それぞれの記号が示す役割を正しく理解することで、スムーズに図を組み立てられます。
記号を矢印でつないでいく際には、左から右、または上から下へ一方向に進むルールを守りましょう。視覚的に流れを追いやすくなるだけでなく、後から見返すときのわかりやすさも高まります。
フローチャート作成のコツとして、無駄な枝分かれは極力減らすことが挙げられます。複雑なロジックの場合は、一旦サブフローとして別図にまとめるなど、可読性を高める工夫が必要です。
開始と終了を示す記号は、フローチャート全体の入り口と出口を示す重要なポイントです。多くの場合、楕円形や丸みを帯びた長方形で表されます。
この記号を明確にすると、複雑に見えるプロセスでも全体の始まりと終わりを一目で把握できます。作図ツールによっては「Start」「End」と文字を入れる場合もあります。
プロジェクトの途中で追加の開始終端が生じる場合は、サブチャートとして扱うか、入出力記号などを用いて再設計すると整理がしやすくなります。
処理を示す四角形は、フローチャートの中でも最も頻繁に使われる記号です。特定のデータ操作や画面処理など、具体的なタスクをここに書き込んでいきます。
一方、入力/出力は平行四辺形や台形で表すことが一般的です。ユーザーの入力やファイルへの書き込みなど、データの流れを明示するのに便利です。
処理と入力/出力を明確に区別しておくと、後から見てもロジックの流れが把握しやすくなります。特に複雑な要件を扱うアプリ開発では、説明不足や誤解を防ぐためにも重要です。
条件分岐を表すひし形は、プログラム上の「if文」や「switch文」のイメージに対応します。YES/NO、TRUE/FALSEなどの判定結果でフローが分かれるときに使用します。
分岐先が複数ある場合は、それぞれの矢印に条件を明記しておくとわかりやすいです。複雑な条件の場合は、詳細をコメントとして補足したり、別チャートで補完する工夫も有効です。
分岐後のフローを再び一つに統合するタイミングが結合(Merge)です。通常は同じひし形を使用するか、ツールに応じて独自の記号を用いる場合もありますが、明確に「この先は共通処理に戻る」という意図が伝わるようにしましょう。
要件定義からリリース・運用まで、フローチャートがどのように役立つのか具体的に紹介します。
フローチャートは、単にプログラムの処理を視覚化するだけでなく、開発の初期段階から運用に至るまで幅広く活用できます。アプリ開発全体の工程やリソース管理を把握しやすくする点は大きな魅力です。
要件定義段階では、データフローや画面遷移を明示し、関係者がアプリの仕組みを共通認識として持ちやすくなります。設計段階では機能同士の関連性を整理することで、望まれる機能が実装されているかを判断しやすくなるでしょう。
リリースや運用段階に入ってからも、障害発生時の対処手順や機能追加時の検討フローを迅速に設計・共有できます。メンテナンスや拡張を考慮した開発にもフローチャートは欠かせないツールです。
要件定義では、利用者がどのようにアプリを使うのか、多岐にわたるケースを洗い出す必要があります。フローチャートを活用すれば、機能とそれを必要とする理由がつながった形で整理できます。
画面設計やDB設計を行う際にも、どの処理がどのデータに対して実行されるのか一目でわかる図があると、後の大幅な仕様変更を最小限に抑えやすくなります。
この段階で明確なフロー図を作成することは、設計ミスやコミュニケーション・エラーを軽減する有効な手段です。最終的に、完成度の高い仕様書を作る基盤にもなります。
実際にコードを入力し始める前に、フローチャートでロジックを固めておくと効率的です。特に複雑な条件分岐やAPI連携などを含む場合でも、どのように情報が流れるかを先に記述することで実装ミスを減らせます。
また、テスト段階では分岐先ごとに異なるシナリオが発生するため、フローチャートをもとにテストケースを洗い出しやすくなります。結果として、テスト漏れやバグを早期発見して修正できる可能性が高まります。
開発者同士が仕様をすり合わせる場面でも、視覚化されたロジックがあると理解にかかる時間が短縮されます。結果的に、開発とテストの効率がグッと向上するでしょう。
リリース後も、運用フローや障害対応手順をフローチャートで示しておくことで、保守担当者や運用スタッフの作業がわかりやすくなります。問題発生時のエスカレーション経路も明確化しやすいです。
大規模アプリの場合、運用段階で機能追加や仕様変更が行われるケースは少なくありません。フローチャートを見直しながら新たな機能を組み込むことで、既存の動作への影響を最小限にとどめられます。
ドキュメントとしても有用で、将来的に別の担当者が引き継ぐ際にも短時間でシステム構造を把握できます。長期運用やバージョンアップを想定する現場では、必須の仕組みと言えます。
フローチャートを簡単に作成できる無料ツールの特徴と活用方法を見ていきましょう。
フローチャートを作成するツールは数多く存在し、無料のものだけでも豊富に選択肢があります。ブラウザで使えるものからインストールが必要なものまで、自分の作業環境とプロジェクト規模に合わせて選びましょう。
複数人で同時編集できるクラウド型のツールを選択すると、他のメンバーとリアルタイムでフローチャートを更新し、意見交換が可能になります。リモートワークが増えた現在では、その利便性はさらに高まっています。
また、テンプレートが豊富に用意されたツールを使えば、フローチャート作成にかける時間を大幅に短縮できます。使い勝手と機能性、コラボレーションのしやすさなどを基準に選ぶのがおすすめです。
draw.ioは、直感的なUIと豊富な図解テンプレートを備えた無料のクラウド型作図ツールです。ブラウザから簡単にアクセスできるため、普段使っているPC以外でも作業できる柔軟性を持ちます。
GoogleドライブやDropboxなどとの連携が可能で、作成したフローチャートの共有も容易です。共同編集機能により、チームメンバーとの同時編集もスムーズに行えます。
シンプルな操作性でありながら、さまざまなビジネス向けテンプレートを備えているため、フローチャート以外の図解にも幅広く対応できます。
Lucidchartは、プロジェクト管理やソフトウェア設計など、多用途に利用できるオンライン作図サービスです。共同編集のしやすさや、チャットツールとの連携が充実しているのが特徴です。
テンプレートギャラリーからフローチャートの型を選ぶことができ、初心者でも短時間で分かりやすい図を作成できます。履歴機能を使えば、誤った修正があってもいつでも過去のバージョンに戻せます。
無料プランでもある程度の機能が利用できますが、ページ数や保存容量などに制限があるので、大規模なドキュメントを扱う際には有料版へのアップグレードも検討するとよいでしょう。
Googleアカウントを持っていれば、すぐにGoogle Drawingsを使い始められます。ドキュメントやスプレッドシートと併用もできるので、チームでまとめて管理できる利便性があります。
シンプルな機能構成のため、大掛かりな図を作成するのには向きませんが、軽めのフローチャートを作る分には十分です。リアルタイム共同編集も可能な点は大きな強みです。
その他にも、CacooやMiroなどグラフィカルに作図できるオンラインサービスが存在します。いずれも無料プランが用意されており、試しやすい環境を提供しています。
無料ツールでカバーしきれない高度な要件やセキュリティ要件がある場合、各社の有料版を検討しましょう。
大人数での共同編集や、高度なテンプレート管理、データの暗号化などが必要になるケースもあります。そのような場面では、無料プランでは不十分な機能制限に直面するでしょう。
また、企業として正式に採用するツールであれば、サポート体制が充実している有料版への移行が安心です。問い合わせサポートや機能追加のリクエストを受け付けてもらえる場合もあります。
要件や予算に応じて、有料ツールへの移行タイミングを計画的に検討しましょう。プロジェクトの規模拡大や長期運用を見据えるなら、セキュリティとサポート体制が整った有料プランが結果的にコストパフォーマンスを高めることもあります。
外注先とのコミュニケーションや開発体制の可視化においても、フローチャートは重要な役割を果たします。
外部企業にアプリ開発を依頼する場合、要件定義や仕様説明などで意思疎通に時間がかかりがちです。フローチャートを用いると、技術的な背景知識が異なる相手にも簡単に流れを伝えられます。
また、契約前後のやりとりでプロセス全体を可視化しておけば、発注者と開発側の認識のずれを減らせるメリットがあります。プロジェクト管理ツールと組み合わせることで、進捗状況を客観的に評価しやすくなります。
加えて、要件変更やトラブル対応時にも、フローチャートがあると迅速な判断が可能です。プロジェクト期間中、継続的にフローチャートを更新し、常に最新のプロセスを共有しておくことをおすすめします。
フローチャートは、アプリ開発における要件定義・設計・実装・運用までの全工程で活用できる強力な可視化ツールです。
開発プロセスを明確にすることで、認識のズレや手戻りを防ぎ、品質とスピードの両立が可能になります。
インプルでは、React NativeやFlutterなどの先進技術を駆使した豊富なアプリ開発実績をもとに、「先進技術で革命を起こす」という企業理念のもと、要件定義から設計・開発・運用まで、フローチャートを活用した丁寧なプロジェクト推進を支援しています。
「アプリ開発を依頼したいが、要件整理から相談したい」
「フローチャートを活用した開発プロセスを導入したい」
そんな方は、ぜひお気軽にインプルへご相談ください。
ご相談は こちら。
フローチャートは、アプリの機能面だけでなく、開発プロセスや不具合の原因追及にも応用可能です。工程を順序立てて表現することで、全体像から詳細な処理手順まで一目で把握できます。
本記事では、フローチャートの基本的な書き方から代表的な記号の使い方、さらにアプリ開発の各フェーズでの活用例や無料ツールの紹介まで、必要なポイントを網羅して解説します。ぜひ参考にして、アプリ開発を成功へ導いてください。
目次
フローチャートとは何か
アプリ開発でフローチャートが果たす役割
プロセス可視化によるチーム内共有の重要性
アプリ開発の基本手法
ウォーターフォール開発の流れ
アジャイル開発の流れ
アプリ開発にフローチャートを活用するメリット
①要件定義やタスク管理の効率化
②プログラム処理の可視化
③円滑なコミュニケーションの実現
フローチャート作成の基本:代表的な記号と書き方
開始・終了(Terminal)
処理(Process)・入力/出力(Input/Output)
条件分岐(Decision)と結合(Merge)
あらゆるフェーズにおけるフローチャート活用例
要件定義・設計段階
開発・テスト段階
リリース・運用段階
フローチャート作成に役立つ無料ツール
①draw.io
②Lucidchart
③Google Drawingsやその他オンラインサービス
無料のフローチャート作成ツールで不十分な場合の有料版検討
外部企業へ開発を依頼する際に確認すべきポイント
まとめ:フローチャートを効果的に取り入れアプリ開発を成功させよう<
フローチャートとは何か
フローチャートの定義を知り、なぜアプリ開発に欠かせないのか概要を把握しましょう。
フローチャートは、業務工程やプログラムの処理手順を視覚的に表現するための図式です。矢印でつながれた記号を使うことで、複雑な流れを整理しやすくなり、問題の発生源を見つけやすくする特徴があります。
アプリ開発においては、要件定義や設計段階で機能の全体像を共有するためによく利用されます。フローチャートを用いることで、段階的なアプローチを取りやすくし、手戻りを減らすことに寄与します。
プログラマーだけでなく、プロジェクトオーナーやデザイナーといった関係者全員が同じ認識をもてる点も大きな魅力です。工程が可視化されるため、話し合いの際に具体的なイメージを持ちやすくなります。
アプリ開発でフローチャートが果たす役割
アプリ開発では、機能を実装する際に複数の入力や条件分岐が存在する場合が多くあります。フローチャートによってこれらの分岐をわかりやすく図示することで、開発者だけでなくプロジェクト全体がスムーズに進行します。
大規模なアプリになるほど要件も複数にわたるため、要件の抜け漏れやタスクの重複を防ぐ必要があります。フローチャートを作成すれば、どのタイミングでどの処理が行われるかが明確になり、適切にタスクを割り振りやすくなります。
また、フローチャートは基本設計だけでなく詳細設計の段階でも活用されます。アルゴリズムや処理手順を可視化するため、プログラミング前にロジック上の問題点を洗い出しやすくなる点で大きな役割を果たします。
プロセス可視化によるチーム内共有の重要性
フローチャートを用いてプロセスを可視化すると、担当者の異なるメンバー同士でも開発における意図や前後のつながりを把握しやすくなります。話をするときに曖昧な点が減り、作業時間の短縮にもつながります。
視覚的に理解できるフローチャートは、エンジニア以外のメンバーやクライアントにも説明しやすいツールです。特にミーティングの場で活用することで、時間をかけずに認識を合わせることが可能になります。
その結果、開発全体のコミュニケーションロスが減り、手戻りや修正依頼も少なくなります。フローチャートが全員の共通言語となることで、開発の効率と品質が向上します。
アプリ開発の基本手法
アプリ開発を円滑に進めるためには、代表的な開発モデルの特徴を理解しておくことが重要です。
アプリ開発の成功には、開発手法の選択が大きく影響します。代表的な方法としてウォーターフォール型とアジャイル型が挙げられ、それぞれに異なる利点と注意点があります。
ウォーターフォール型は設計からテストまでを一方向に進め、仕様や要求が明確な大規模プロジェクトに適しています。一方で変更が生じた場合、後戻りしづらいため十分な初期計画が求められます。
アジャイル型では、小さな機能を連続して実装・テストしながら、状況に応じて方向修正を加えるのが特徴です。不確実性が高い案件や、ユーザーの要望に柔軟に対応したい場合に非常に有効な手法です。
ウォーターフォール開発の流れ
ウォーターフォール型では、要件定義から設計、実装、テスト、リリースまでを段階的に行います。それぞれの工程を完了してから次に進むため、進行管理はしやすいですが、後戻りが発生するとコストがかかりやすいのが特徴です。
明確な要件をあらかじめ定義できる場合には大きなメリットがあります。大規模な業務システムや、公的機関の厳密な仕様が求められる場合によく採用されています。
フローチャートを活用することで、それぞれの工程でのタスクと処理の流れを広い視野で確認できます。特に要件定義段階で作成したフローチャートを後続工程に引き継ぐことで、チーム全員の理解度を高められます。
アジャイル開発の流れ
アジャイル開発は、設計と実装を短いサイクルで繰り返し、問題や改善点をその都度検証しながら進める開発手法です。小規模の機能単位でリリースを行い、ユーザーからのフィードバックを素早く取り入れる特徴があります。
不確定要素が多い開発案件や、仕様変更の可能性が高いプロジェクトに特に適しています。ウォーターフォール型に比べ、方向軌道修正がしやすい点が大きな利点です。
フローチャートをアジャイル開発に取り入れると、短いスプリントごとの成果物を即座に可視化できます。早い段階でチームやクライアントと認識をすり合わせ、必要な修正をタイムリーに行うことが可能です。
アプリ開発にフローチャートを活用するメリット
フローチャートの活用で得られる利点を整理し、開発全体を効率的に進める方法を探りましょう。
フローチャートを導入すると、業務フローとプログラム処理が視覚的に整理され、抜け漏れや重複が見つけやすくなります。特にメンバーが多い開発チームでは、一つのプロセスを図として見せることで、全員の理解を統一できます。
また、タスク管理の観点でもフローチャートは効果的です。処理の優先度を示しやすくなり、次にどの工程に着手すべきかが明確になるため、管理者もプロジェクトの進捗を把握しやすくなります。
さらに、クライアントや他部門とのやり取りでも、スムーズに情報を伝達できるのが利点です。図として説明できるため専門用語が伝わりにくい場面でも、イメージベースで構造を理解してもらいやすくなるでしょう。
①要件定義やタスク管理の効率化
初期段階の要件定義では、チャートを使うことでアプリに必要な機能や連携を見落としにくくなります。複雑なフローを断片的に考えるよりも全体を可視化した方が、抜け漏れが起こりません。
タスク管理の面でも、フローチャートを用いたプロセス設計は有用です。どのフェーズでどの処理が必要かが明示されるため、優先度が高い部分から着手しやすくなります。
また、フローチャートを頻繁にアップデートしながら作業を進めると、後から追加された機能や要素をすぐに共有できます。結果的にレビュー時の混乱も防ぎ、プロジェクトの進行を円滑にします。
②プログラム処理の可視化
プログラムのロジックを図示することで、早い段階で矛盾や重複を見つけやすくなります。特に細かなバグや例外処理の漏れは文章だけでは見落としがちですが、図にすることで抜け漏れを発見しやすくなります。
さらに、大規模なアプリではモジュール間の連携が複雑になるため、フローチャートを使うと関連部分の結合テストも進めやすくなります。テストの観点でチェックリストが作りやすくなるのもメリットです。
結果として、開発ステップごとの検証作業が効率化し、不具合を早期に修正する土台が整います。品質の向上とともに、開発後の保守作業もしやすくなるでしょう。
③円滑なコミュニケーションの実現
フローチャートは、部門や職種を越えて情報を共有する際に大きな武器になります。技術的な知識の浅いメンバーやクライアントにも、全体像を迅速に説明できるためです。
また、会議や打ち合わせの資料にフローチャートが加わると、議論の焦点がはっきりします。視覚情報を前提に話し合いが進むので、不明瞭な点をすぐに洗い出して解決しやすくなります。
このように、フローチャートにより情報伝達の正確性とスピードが向上するため、プロジェクトを進めるうえで欠かせないコミュニケーション・ツールという評価を得ています。
フローチャート作成の基本:代表的な記号と書き方
フローチャートを正しく作成するために、基本となる代表的な記号と書き方を理解しましょう。
フローチャートを描く上で、まずは主要な記号の意味を把握することが必須です。開始・終了、処理、条件分岐など、それぞれの記号が示す役割を正しく理解することで、スムーズに図を組み立てられます。
記号を矢印でつないでいく際には、左から右、または上から下へ一方向に進むルールを守りましょう。視覚的に流れを追いやすくなるだけでなく、後から見返すときのわかりやすさも高まります。
フローチャート作成のコツとして、無駄な枝分かれは極力減らすことが挙げられます。複雑なロジックの場合は、一旦サブフローとして別図にまとめるなど、可読性を高める工夫が必要です。
開始・終了(Terminal)
開始と終了を示す記号は、フローチャート全体の入り口と出口を示す重要なポイントです。多くの場合、楕円形や丸みを帯びた長方形で表されます。
この記号を明確にすると、複雑に見えるプロセスでも全体の始まりと終わりを一目で把握できます。作図ツールによっては「Start」「End」と文字を入れる場合もあります。
プロジェクトの途中で追加の開始終端が生じる場合は、サブチャートとして扱うか、入出力記号などを用いて再設計すると整理がしやすくなります。
処理(Process)・入力/出力(Input/Output)
処理を示す四角形は、フローチャートの中でも最も頻繁に使われる記号です。特定のデータ操作や画面処理など、具体的なタスクをここに書き込んでいきます。
一方、入力/出力は平行四辺形や台形で表すことが一般的です。ユーザーの入力やファイルへの書き込みなど、データの流れを明示するのに便利です。
処理と入力/出力を明確に区別しておくと、後から見てもロジックの流れが把握しやすくなります。特に複雑な要件を扱うアプリ開発では、説明不足や誤解を防ぐためにも重要です。
条件分岐(Decision)と結合(Merge)
条件分岐を表すひし形は、プログラム上の「if文」や「switch文」のイメージに対応します。YES/NO、TRUE/FALSEなどの判定結果でフローが分かれるときに使用します。
分岐先が複数ある場合は、それぞれの矢印に条件を明記しておくとわかりやすいです。複雑な条件の場合は、詳細をコメントとして補足したり、別チャートで補完する工夫も有効です。
分岐後のフローを再び一つに統合するタイミングが結合(Merge)です。通常は同じひし形を使用するか、ツールに応じて独自の記号を用いる場合もありますが、明確に「この先は共通処理に戻る」という意図が伝わるようにしましょう。
あらゆるフェーズにおけるフローチャート活用例
要件定義からリリース・運用まで、フローチャートがどのように役立つのか具体的に紹介します。
フローチャートは、単にプログラムの処理を視覚化するだけでなく、開発の初期段階から運用に至るまで幅広く活用できます。アプリ開発全体の工程やリソース管理を把握しやすくする点は大きな魅力です。
要件定義段階では、データフローや画面遷移を明示し、関係者がアプリの仕組みを共通認識として持ちやすくなります。設計段階では機能同士の関連性を整理することで、望まれる機能が実装されているかを判断しやすくなるでしょう。
リリースや運用段階に入ってからも、障害発生時の対処手順や機能追加時の検討フローを迅速に設計・共有できます。メンテナンスや拡張を考慮した開発にもフローチャートは欠かせないツールです。
要件定義・設計段階
要件定義では、利用者がどのようにアプリを使うのか、多岐にわたるケースを洗い出す必要があります。フローチャートを活用すれば、機能とそれを必要とする理由がつながった形で整理できます。
画面設計やDB設計を行う際にも、どの処理がどのデータに対して実行されるのか一目でわかる図があると、後の大幅な仕様変更を最小限に抑えやすくなります。
この段階で明確なフロー図を作成することは、設計ミスやコミュニケーション・エラーを軽減する有効な手段です。最終的に、完成度の高い仕様書を作る基盤にもなります。
開発・テスト段階
実際にコードを入力し始める前に、フローチャートでロジックを固めておくと効率的です。特に複雑な条件分岐やAPI連携などを含む場合でも、どのように情報が流れるかを先に記述することで実装ミスを減らせます。
また、テスト段階では分岐先ごとに異なるシナリオが発生するため、フローチャートをもとにテストケースを洗い出しやすくなります。結果として、テスト漏れやバグを早期発見して修正できる可能性が高まります。
開発者同士が仕様をすり合わせる場面でも、視覚化されたロジックがあると理解にかかる時間が短縮されます。結果的に、開発とテストの効率がグッと向上するでしょう。
リリース・運用段階
リリース後も、運用フローや障害対応手順をフローチャートで示しておくことで、保守担当者や運用スタッフの作業がわかりやすくなります。問題発生時のエスカレーション経路も明確化しやすいです。
大規模アプリの場合、運用段階で機能追加や仕様変更が行われるケースは少なくありません。フローチャートを見直しながら新たな機能を組み込むことで、既存の動作への影響を最小限にとどめられます。
ドキュメントとしても有用で、将来的に別の担当者が引き継ぐ際にも短時間でシステム構造を把握できます。長期運用やバージョンアップを想定する現場では、必須の仕組みと言えます。
フローチャート作成に役立つ無料ツール
フローチャートを簡単に作成できる無料ツールの特徴と活用方法を見ていきましょう。
フローチャートを作成するツールは数多く存在し、無料のものだけでも豊富に選択肢があります。ブラウザで使えるものからインストールが必要なものまで、自分の作業環境とプロジェクト規模に合わせて選びましょう。
複数人で同時編集できるクラウド型のツールを選択すると、他のメンバーとリアルタイムでフローチャートを更新し、意見交換が可能になります。リモートワークが増えた現在では、その利便性はさらに高まっています。
また、テンプレートが豊富に用意されたツールを使えば、フローチャート作成にかける時間を大幅に短縮できます。使い勝手と機能性、コラボレーションのしやすさなどを基準に選ぶのがおすすめです。
①draw.io
draw.ioは、直感的なUIと豊富な図解テンプレートを備えた無料のクラウド型作図ツールです。ブラウザから簡単にアクセスできるため、普段使っているPC以外でも作業できる柔軟性を持ちます。
GoogleドライブやDropboxなどとの連携が可能で、作成したフローチャートの共有も容易です。共同編集機能により、チームメンバーとの同時編集もスムーズに行えます。
シンプルな操作性でありながら、さまざまなビジネス向けテンプレートを備えているため、フローチャート以外の図解にも幅広く対応できます。
②Lucidchart
Lucidchartは、プロジェクト管理やソフトウェア設計など、多用途に利用できるオンライン作図サービスです。共同編集のしやすさや、チャットツールとの連携が充実しているのが特徴です。
テンプレートギャラリーからフローチャートの型を選ぶことができ、初心者でも短時間で分かりやすい図を作成できます。履歴機能を使えば、誤った修正があってもいつでも過去のバージョンに戻せます。
無料プランでもある程度の機能が利用できますが、ページ数や保存容量などに制限があるので、大規模なドキュメントを扱う際には有料版へのアップグレードも検討するとよいでしょう。
③Google Drawingsやその他オンラインサービス
Googleアカウントを持っていれば、すぐにGoogle Drawingsを使い始められます。ドキュメントやスプレッドシートと併用もできるので、チームでまとめて管理できる利便性があります。
シンプルな機能構成のため、大掛かりな図を作成するのには向きませんが、軽めのフローチャートを作る分には十分です。リアルタイム共同編集も可能な点は大きな強みです。
その他にも、CacooやMiroなどグラフィカルに作図できるオンラインサービスが存在します。いずれも無料プランが用意されており、試しやすい環境を提供しています。
無料のフローチャート作成ツールで不十分な場合の有料版検討
無料ツールでカバーしきれない高度な要件やセキュリティ要件がある場合、各社の有料版を検討しましょう。
大人数での共同編集や、高度なテンプレート管理、データの暗号化などが必要になるケースもあります。そのような場面では、無料プランでは不十分な機能制限に直面するでしょう。
また、企業として正式に採用するツールであれば、サポート体制が充実している有料版への移行が安心です。問い合わせサポートや機能追加のリクエストを受け付けてもらえる場合もあります。
要件や予算に応じて、有料ツールへの移行タイミングを計画的に検討しましょう。プロジェクトの規模拡大や長期運用を見据えるなら、セキュリティとサポート体制が整った有料プランが結果的にコストパフォーマンスを高めることもあります。
外部企業へ開発を依頼する際に確認すべきポイント
外注先とのコミュニケーションや開発体制の可視化においても、フローチャートは重要な役割を果たします。
外部企業にアプリ開発を依頼する場合、要件定義や仕様説明などで意思疎通に時間がかかりがちです。フローチャートを用いると、技術的な背景知識が異なる相手にも簡単に流れを伝えられます。
また、契約前後のやりとりでプロセス全体を可視化しておけば、発注者と開発側の認識のずれを減らせるメリットがあります。プロジェクト管理ツールと組み合わせることで、進捗状況を客観的に評価しやすくなります。
加えて、要件変更やトラブル対応時にも、フローチャートがあると迅速な判断が可能です。プロジェクト期間中、継続的にフローチャートを更新し、常に最新のプロセスを共有しておくことをおすすめします。
まとめ:フローチャートを効果的に取り入れアプリ開発を成功させよう
フローチャートは、アプリ開発における要件定義・設計・実装・運用までの全工程で活用できる強力な可視化ツールです。
開発プロセスを明確にすることで、認識のズレや手戻りを防ぎ、品質とスピードの両立が可能になります。
インプルでは、React NativeやFlutterなどの先進技術を駆使した豊富なアプリ開発実績をもとに、「先進技術で革命を起こす」という企業理念のもと、要件定義から設計・開発・運用まで、フローチャートを活用した丁寧なプロジェクト推進を支援しています。
「アプリ開発を依頼したいが、要件整理から相談したい」
「フローチャートを活用した開発プロセスを導入したい」
そんな方は、ぜひお気軽にインプルへご相談ください。
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