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25.10.01

システム開発の期間は?目安となるスケジュールを工程別に解説

システム開発の期間は?目安となるスケジュールを工程別に解説
システムの開発期間は、プロジェクトの成否を左右する重要な要素です。
システム開発にかかる期間の目安を規模や工程別に把握し、適切なスケジュールを立てることが求められます。
開発期間はシステムの要件や開発手法によって変動するため、どのような要因がスケジュールに影響を与えるのかを事前に理解しておく必要があります。
本記事では、システム開発の各工程と期間の目安、そしてスケジュールが変動する要因や期間を短縮するコツを解説します。

目次


システム開発期間の全体像|システムの規模別に目安を解説
システム開発の期間が変動する3つの主な要因
【手法別】開発期間はどう変わる?ウォーターフォールとアジャイルの特徴
システム開発の全工程とそれぞれの期間の目安
システム開発の期間を短縮するための3つのコツ
まとめ

システム開発期間の全体像|システムの規模別に目安を解説



システム開発にかかる期間は、開発するシステムの規模によって大きく変動します。
比較的小規模なシステム、例えば小規模なWebサイトや特定の業務を補助するツールなどの開発であれば、2ヶ月から3ヶ月程度が一般的な目安です。
中規模なシステムになると、平均して半年から1年ほどの期間が必要となります。
これには、複数の機能を持つ業務システムなどが該当します。
さらに大規模な開発、例えば基幹システムや複雑な機能を持つECサイトなどでは、1年以上の長期的なプロジェクトになることも少なくありません。

システム開発の期間が変動する3つの主な要因



システム開発の見積もり段階で提示される期間は、あくまで概算であり、プロジェクトの進行中に変動する可能性があります。
期間が変動する主な要因として、開発する機能の数や要件の複雑さ、採用する開発手法、そして開発チームのスキルや体制が挙げられます。
これらの要素がプロジェクトにどのように影響を与えるかを理解し、あらかじめリスクを想定しておくことで、スケジュールの遅延を防ぎ、より現実的な計画を立てることが可能になります。

開発する機能の数や要件の複雑度


開発する機能の数が多いほど、実装やテストに必要な工数が増加し、開発期間は長くなります。
特に、決済機能や外部システムとの連携、高度なセキュリティ要件など、複雑な機能を実装する場合には、設計やテストに多くの時間を要するため、全体のスケジュールに大きな影響を与えます。
また、要件定義が曖昧なまま開発を進めてしまうと、後工程で仕様の認識齟齬が発覚し、手戻りが発生する原因となります。
手戻りは大幅なスケジュールの遅延につながるため、開発初期の段階で要件を明確に固めておくことが極めて重要です。

採用する開発手法による進め方の違い


開発手法の違いも期間の計画や進捗の仕方に影響を与えます。
ウォーターフォール開発では、最初に全体の計画を綿密に立て、各工程を順番に進めていくため、全体のスケジュールや完了時期を予測しやすいという特徴があります。
一方で、途中の仕様変更には対応しにくく、手戻りが発生すると大幅な遅延につながる可能性があります。
対照的にアジャイル開発では、短期間のサイクルで開発を繰り返すため、仕様変更に柔軟に対応できますが、プロジェクト開始時点では全体の完了時期が明確になりにくいという側面を持ちます。

開発チームのスキルや体制


開発を担当するチームのスキルレベルや経験、発注者側との連携体制も、開発期間を左右する重要な要素です。
経験豊富なエンジニアが揃っていれば、効率的に開発を進めることができますが、プロジェクトで利用する技術に不慣れなメンバーが多い場合、調査や学習に時間がかかり、スケジュールに遅れが生じる可能性があります。
また、発注者側と開発会社とのコミュニケーションが不足していると、仕様の確認や意思決定に時間がかかり、開発が滞る原因となります。
円滑な連携体制を築き、迅速に課題を解決していくことが求められます。

【手法別】開発期間はどう変わる?ウォーターフォールとアジャイルの特徴



システム開発で用いられる代表的な手法に、ウォーターフォール開発とアジャイル開発があります。
それぞれ計画の立て方や進め方が異なり、開発期間の捉え方にも大きな違いが生じます。
ウォーターフォールは計画性が高く、アジャイルは柔軟性が高いという特徴を持ちます。
どちらの手法が自社のプロジェクトの性質や要件に適しているかを判断するためにも、それぞれのメリットとデメリットを正しく理解しておくことが重要です。

ウォーターフォール開発:計画通りに進めやすいが手戻りが難しい


ウォーターフォール開発は、要件定義、設計、実装、テストといった工程を上流から下流へ順番に進めていく手法です。
プロジェクト開始時に全体の計画と仕様を詳細に決定するため、全体のスケジュールやコストを正確に見積もりやすいという利点があります。
各工程の完了目標が明確であるため、進捗管理もしやすいです。
しかし、原則として後の工程から前の工程へ戻る「手戻り」を想定していません。
そのため、開発途中で仕様変更や要件の追加が発生した場合、計画全体に大きな影響を及ぼし、スケジュールの大幅な遅延や追加コストの原因となる可能性があります。

アジャイル開発:短期間でリリースできるが全体の完了時期は見えにくい


アジャイル開発は、スプリントやイテレーションと呼ばれる短い開発期間のサイクルを繰り返しながら開発を進める手法です。
このサイクルごとに計画、設計、実装、テストを行い、動作するソフトウェアを少しずつ完成させていきます。
仕様変更や要求の追加に柔軟に対応できる点が大きなメリットであり、優先度の高い機能から開発して早期にリリースすることも可能です。
一方で、開発を進めながら仕様を具体化していくため、プロジェクト開始時点では全体のスコープが確定しておらず、最終的な完了時期や総コストを正確に予測することが難しい傾向にあります。

システム開発の全工程とそれぞれの期間の目安



システム開発は、一般的に要件定義からリリース・運用保守まで、複数の工程に分かれて進行します。
各工程で実施する内容と、それに要する期間の目安を把握することは、プロジェクト全体のスケジュール感を理解する上で不可欠です。
それぞれの工程がプロジェクト全体に占める期間の割合を知ることで、より現実的な計画立案が可能となります。
ここでは、開発の全工程を順番に追いながら、それぞれの役割と期間の割合について解説します。

①要件定義:システムで実現したいことを決める工程
要件定義は、発注者がシステムで何を実現したいのか、どのような課題を解決したいのかをヒアリングし、システムの目的、必要な機能、性能などを明確にする最初の工程です。
この段階で、発注者と開発者の間で認識をすり合わせ、システム化する範囲や仕様の骨子を固めます。要件定義の内容が後続のすべての工程の基礎となるため、プロジェクトの成否を左右する非常に重要なフェーズと位置付けられています。
システム開発における要件定義の工数割合は、一般的に20%前後が目安とされており、この段階で定義した内容の精度が、後の手戻りを防ぐ鍵となります。

②設計:システムの仕様を具体的に落とし込む工程
設計工程では、要件定義で決定した内容を基に、システムの具体的な仕様を詳細に定義していきます。
この工程は、ユーザーインターフェースや画面レイアウトなどを決める「外部設計(基本設計)」と、プログラムの内部構造やデータの流れ、データベースの構造などを決める「内部設計(詳細設計)」に分かれます。
開発者はこの設計書に基づいてプログラミングを行うため、誰が見ても理解できる正確なドキュメントを作成することが求められます。
開発期間全体に占める割合は20%〜25%程度が目安となり、システムの品質を大きく左右する重要な工程です。

③実装(プログラミング):設計書を基にプログラムを作成する工程
実装は、設計工程で作成された設計書に基づいてプログラミング言語を用いて実際にコードを記述し、システムを形にしていく工程です。一般的にプログラミングとも呼ばれ、システム開発の工程の中で多くの時間を要する部分です。開発する機能の数や複雑さ、開発チームのスキルによって作業時間は大きく変動します。
この工程の品質がシステムの安定性やパフォーマンスに直結するため、設計書を正確に理解し、効率的で保守性の高いコードを作成することが求められます。開発期間全体に占める実装工程の割合は、一般的に30%〜35%程度が目安とされています。

④テスト:システムの品質を担保する工程
テストは、実装されたシステムが設計書通りに正しく動作するか、不具合がないかを確認し、品質を保証するための重要な工程です。
この工程を丁寧に行うことで、リリース後のトラブルを未然に防ぎ、ユーザーが安心して利用できるシステムを提供できます。
テストは目的や対象範囲に応じて複数の段階に分かれており、小さな単位から徐々に大きな範囲へと検証を進めていくのが一般的です。
開発期間全体に占める割合は20%〜25%程度が目安ですが、システムの信頼性が特に求められる場合は、さらに多くの時間をかけることもあります。

単体テスト:機能単位での動作を確認


単体テストは、プログラムの最小単位である関数やモジュールが、個別に正しく動作するかを検証するテストです。
主にプログラマー自身が実装直後に行い、作成したコードが意図した通りに機能するか、基本的なロジックに誤りがないかを確認します。
例えば、特定のデータを入力した際に、期待される計算結果が出力されるかなどをチェックします。
この段階で個々の部品の品質を確保しておくことで、後の工程である結合テスト以降で発見される不具合を減らし、手戻りのコストを抑制することにつながります。
品質保証の第一歩となる重要なテストです。

結合テスト:複数の機能を連携させて検証


結合テストは、単体テストを完了した複数のモジュールや機能を組み合わせて、それらが連携して正しく動作するかを検証する工程です。
個々の機能は問題なく動いても、それらを連携させるとデータの受け渡しがうまくいかなかったり、予期せぬ不具合が発生したりすることがあります。
例えば、商品登録機能と在庫管理機能が正しく連携し、登録された商品の情報が在庫データに反映されるかなどを確認します。
モジュール間のインターフェースの整合性をチェックし、システムとしての一連の流れがスムーズに行えるかを確かめる重要な段階です。

システムテスト:システム全体の動作をチェック


システムテストは、開発したシステム全体を一つの製品として捉え、要件定義で定められた機能や性能、品質要件をすべて満たしているかを総合的に検証する工程です。
実際の使用環境に近い状態でテストを行い、機能面だけでなく、セキュリティ、パフォーマンス(応答速度や負荷への耐性)、操作性などもチェックします。
このテストを通じて、システムが発注者の要求水準をクリアしているか、リリースできる品質にあるかを最終的に判断します。
開発会社側の責任で行われる最終的な品質保証のテストと位置付けられます。

受入テスト:実際の業務で利用できるか最終確認


受入テストは、開発されたシステムを納品する前の最終段階で、発注者側が主体となって実施するテストです。
ユーザーテストとも呼ばれ、実際の業務フローに沿ってシステムを操作し、要求した仕様がすべて満たされているか、実務で問題なく利用できるかを確認します。
このテストで問題がなければシステムは検収となり、リリースへと進みます。
もし要求と異なる点や重大な不具合が発見された場合は、開発会社に修正を依頼します。
発注者と開発者の間で、完成物の最終的な合意形成を行うための重要な工程です。

⑤リリースと運用保守:システムを公開し安定稼働させる工程
リリースは、すべてのテストをクリアした完成済みのシステムを本番環境に展開し、ユーザーが実際に利用できる状態にする作業を指します。
システムはリリースして終わりではなく、その後の安定稼働を支える運用保守が不可欠です。
運用保守には、サーバーの監視、データバックアップ、障害発生時の復旧対応、セキュリティアップデートの適用、ユーザーからの問い合わせ対応などが含まれます。
システムの価値を維持し続けるためには、継続的な保守が欠かせません。
開発期間とは別に、保守契約として長期的な計画を立てる必要があります。

システム開発の期間を短縮するための3つのコツ



システム開発の期間は様々な要因で変動しますが、いくつかの点を工夫することで短縮を目指すことが可能です。
ここでは、プロジェクトを効率的に進め、無駄な手戻りや遅延を防ぐための3つの具体的なコツを紹介します。
初期段階での計画の立て方から、開発中のコミュニケーションの取り方まで、発注者側が主体的に取り組める内容も含まれています。
これらのポイントを意識することで、開発会社との協力体制を強化し、スムーズなプロジェクト進行が期待できます。

MVP(最小限の機能)からスモールスタートする


最初からすべての機能を盛り込んだ大規模なシステムを目指すのではなく、ユーザーに価値を提供できる最小限の機能(MVP:Minimum Viable Product)でリリースし、市場の反応を見ながら段階的に機能を追加・改善していく手法は、開発期間の短縮に有効です。
このアプローチにより、初期開発のスコープを絞り込むことができるため、短期間での市場投入が可能になります。
また、実際にユーザーに使ってもらうことで、本当に必要な機能を見極めることができ、不要な機能の開発に時間とコストを費やすリスクを減らせます。
スモールスタートは、不確実性の高い新規事業などで特に効果的です。

要件定義の精度を高め手戻りを防ぐ


開発期間が延長する最大の原因の一つが、後工程での手戻りです。
手戻りの多くは、プロジェクトの初期段階である要件定義の曖昧さに起因します。
要件定義で発注者と開発者の間に認識のズレがあると、開発が進んだ段階で「思っていたものと違う」という事態になり、大規模な修正が必要となります。
これを防ぐためには、要件定義の段階で時間をかけ、必要な機能や仕様をできる限り具体的に、かつ明確に固めることが重要です。
なぜその機能が必要なのかという背景も含めて開発会社と共有し、双方の合意を形成しておくことが、結果的に全体の期間短縮につながります。

開発会社との円滑なコミュニケーションを心がける


プロジェクトを円滑に進めるためには、発注者と開発会社間の密なコミュニケーションが不可欠です。
仕様に関する疑問点の確認や進捗の共有、課題の相談などを迅速に行える体制を整えましょう。
定期的なミーティングを設けるだけでなく、チャットツールなどを活用して日頃から気軽に連絡を取り合える関係を築くことが理想的です。
特に、発注者側で確認や判断が必要な事項に対して迅速に回答することで、開発の手を止める時間を最小限に抑えられます。
課題を早期に共有し、協力して解決策を探る姿勢が、プロジェクト全体の効率を高め、結果として期間の短縮を実現します。

まとめ



システム開発の期間は、小規模なもので2ヶ月程度から、大規模なものになると1年以上と、その規模や要件の複雑さによって大きく異なります。
期間は主に、要件定義、設計、実装、テスト、リリースの工程に分けられ、特に実装とテストが多くの割合を占めます。 開発手法としてウォーターフォールを選ぶかアジャイルを選ぶかによっても、期間の考え方や管理方法は変わります。
開発期間を短縮するためには、要件定義の精度を高めて手戻りを防ぐこと、MVPでスモールスタートすること、そして開発会社と円滑なコミュニケーションを取ることが効果的です。
これらの要素を理解し、自社のプロジェクトに合った計画を立てることが求められます。

インプルでは、要件整理からスケジュール策定、開発会社選定まで一貫した支援を行っています。
「自社の希望納期に間に合うか相談したい」「開発期間の見積もりをしてほしい」といったお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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